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兵庫県の地域ブランド 


兵庫県の地域ブランド「播州毛鉤(ばんしゅうけばり)」

兵庫県西脇市、丹波市産は釣針の生産が盛んで、日本全国で消費される釣針の90%がこの地域で生産されています。

とくに、疑似餌つきの釣針は、他地域では見られない精巧な細工が施され、播州毛鉤(ばんしゅうけばり)としてブランド化されています。

兵庫県の播州毛鉤とは

兵庫県で生産される播州釣針は、数種類の鳥の羽を使って一つひとつ手作りで生産されます。

細やかな技法が必要なため、熟練の職人でも、1日あたり50~60本つくるのが限界と言われます。

さらに、疑似餌の部分は、狙う魚の種類や漁の季節、漁場の環境、その時の天候や時刻によっても作り分けられるため、品揃えは500種以上に及びます。

兵庫県の播州毛鉤の歴史

播州毛鉤の由来については諸説あります。

もっとも有力なのは、播州出身の彦兵衛が土佐の工房で研究を重ねて独自の手法にたどり着き、帰郷して本格的に生産を始めたのがはじまりという説です。

彦兵衛以前にも、毛鉤そのものは生産されていたようですが、技術的に未成熟なもの、あるいは、個人的に生産しているものがほとんど。

これに対して彦兵衛は一定の製法を確立し、さらに、その技法を弟子はもちろん同業者にも惜しげなく公開したことにより、一定レベルの品質の毛鉤が播州で安定的に生産されるようになったのです。

このため、兵庫県の釣針産業では播州毛鉤の生みの親として彦兵衛がいまも慕われています。

兵庫県の播州毛鉤のブランド力の考察

ブランド力は、その市場を最初に築いたものにより多くの恩恵を与えます。

最初にブランドが定着すると、消費者の記憶にいつまでも残ります。

また、常に市場をけん引する立場であり、価格決定権や販売権も優先的に与えられます。

当然、売上げも高いので、資金が潤沢にあり、品質の向上や生産設備の増強、販売促進などにも投資でき、常に有利な戦いができるわけです。

これがさらに進んで圧倒的なブランド力を得ると、追随しようというものがいなくなり、まさに独壇場と呼べる状況になります。

かつての写真フィルム市場がそのような状況でした。

写真フィルムは生産技術が非常に高難度のため、大きな初期投資の負担がかかります。

この参入障壁の高さがライバルの登場を阻み、先に技術開発に成功した企業が無人の荒野を切り開くごとく、いとも簡単に市場を制覇できます。

もうこうなると、仮に技術で追いついても圧倒的な市場支配を崩すのは難しく、結果、多額な投資をしてまで市場に参入しようとするものはいなくなるのです。

このため、世界中を見渡しても、写真フィルムメーカーはたった5社しかなく、いずれもそれぞれの地域で圧倒的な市場支配を成し遂げているわけです。

兵庫県の播州毛鉤の圧倒的なブランド力もこのケースでしょう。

彦兵衛が現れる前は、毛鉤生産は閑農期の農家の副業といった位置づけにすぎず、技術も未熟で生産力も微々たるものでした。

そんなときにいち早く生産法を確立し、同業者にも技術を広めて産業そのものを確立したために、生産力でも品質でも他地域を圧倒。

もう誰も、毛鉤で播州と競争しようなどという者が現れず、圧倒的な市場支配を確立したというわけです。

兵庫県の播州毛鉤の今後

ところで、これで話は終わりではありません。

例に出した写真フィルム市場のケースですが、実はいまピーク時の1割にも満たないほど急速に市場が縮小しています。

デジタルカメラの登場とネット社会の到来によって、画像をデジタルで保管する人が圧倒的になり、フィルムは過去の遺物になりつつあるためです。

もう二度と、写真フィルム業界が復活することはないでしょう。

圧倒的な市場支配というのは、実は、技術革新によって一挙に崩れ去るリスクがあります。

写真フィルムがまさにそうですが、わずか1社、2社で市場を独占してしまうため、競争原理が働かず、技術の進歩が遅れ、価格も高値安定になります。

かつて写真フィルムが全盛だった時代、フィルムを購入して写真撮影したあと、そのフィルムを現像所にもっていって現像・紙焼きする、という面倒な工程が必要で、かつ、いちいち高額な料金がかかっていました。

消費者は不満を感じていても、写真フィルムに代わる商品がないので仕方なく使っていたわけです。

そこに登場したデジタル革命によって、現像も焼き増しもいらず、料金もかからないデジタルカメラが圧倒的な支持を受けました。

この結果、写真フィルム産業に怒涛のクライシスが訪れ、わずか10年という期間であっという間に市場が縮小。

世界で最初に写真フィルム技術を確立し、世界最大のフィルムメーカーとして君臨したアメリカのコダック社が2012年に経営破たん(現在は破たんから立ち直り再生中)したのは象徴的です。

播州毛鉤も、新たな技術革新によって毛鉤がなくても漁ができるようになると、一気に衰退するリスクをはらんでいるということです。

ちなみに、日本のトップメーカーだった富士写真フィルムも、デジタルカメラの普及と同時にフィルムの売上が急減していますが、フィルムメーカーではない企業体に転換できたことで生き残りました。

培ってきた技術基盤を元に、毛鉤に変わる分野への多角化などを考えておくべきかもしれません。

参考:
兵庫県釣針協同組合
西脇市
日本伝統文化振興機構
伝統工芸青山スクエア
兵庫県芸術文化協会

播州毛鉤の商標登録情報

登録日 平成19年(2007)2月2日
出願日 平成18年(2006)4月3日
先願権発生日 平成18年(2006)4月3日
存続期間満了日 平成39年(2027)2月2日
商標 播州毛鉤
称呼 バンシューケバリ
権利者 播州釣針協同組合
区分数
第28類 兵庫県西脇市及び丹波市産の毛鉤

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2017年04月13日 作成
2017年12月06日 更新

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