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商標関連時事コラム 


チケット転売サイトが商標法違反容疑で捜査。いったい何が問題なのか

MIXIの子会社で、チケット転売サイト「チケットキャンプ」を運営するフンザが、商標法違反と不正競争防止法違反の疑いで当局の捜査を受けたことをもって、12月7日から一時サービス停止に踏み切りました。

捜査当局、会社側とも容疑内容を明らかにしていないため、何がどう商標法違反なのか詳細は不明です。

どうもあの事務所を怒らせてしまったのではないかともっぱらのうわさです。

ところで、チケット転売サイトで商標法違反とはどういうことなのでしょうか。

告発したのはあの事務所?

チケットキャンプは、個人どうしが自分で使う目的の公演チケットを売買するサイトとしては最大手。

仕組みは、コンサートや演劇などのチケットを購入したものの、都合で行けなくなったときなどにチケットキャンプに出品。もっとも高い応札額を提示した人が落札できるというもの。

チケットを出品する人にとっては、少しでもお金が戻ってくるメリットがあり、応札する側にとっても、定価より安くチケットが手に入ったり、すでに売り切れるなどして入手しそびれた公演に行けたりといったメリットがあります。

あくまで、個人間での売り買いという前提ですが、定価より高く売るケースや、転売目的で不正利用する利用者が現れるなどのいわゆるダフ行為が一部で行われ、問題視されていました。

運営側でも転売目的の不正利用について対策強化を打ち出したばかりでしたが、効果が上がっておらず、ついに堪忍袋の緒が切れたのが例の事務所と言われます。

あくまでも、うわさですが、例の事務所とはジャニーズ事務所のこととされています。

ジャニーズ事務所は、もともとチケット転売サイトの存在を苦々しく思っていたらしく、フンザに対してもたびたび抗議を入れていたようです。

それが聞き入れられなくて、ついに告発へと踏み切ったのではないか、というわけです。

実際の商標権者が提供しているような態様

事の真相究明は他のサイトにゆずるとして、ここで気になるのは、いったい何が商標法違反に問われたのか、ということです。

オークションサイトやフリマサイトなどでは、個人が手持ちの物品を出品するわけですが、その際、当然ながら「○○社製の○○売ります」というように、商標を記載することになります。

個人間のやり取りなので、こうした行為が商標法違反に問われることはありません。

では、チケットキャンプの何がいけなかったのでしょうか。

チケットキャンプ自体は、あくまで個人間の売買を仲介するだけであり、その範囲内であれば他人の商標を記載しても問題はないはずです。

それが、商標法違反に問われているということは、実際の商標権者が提供しているような態様、つまりサービス名として捉えられるような態様で他人の商標を使っていたということになります。

1か月前に起こっていた前哨戦

どういうことかというと、実は今回の捜査の前哨戦となるような出来事が11月に起きています。

このころチケットキャンプは、「ジャニーズ応援キャンペーン」という企画をサイト上で展開していました。

売買しているのは個人同士で、チケキャンはあくまで仲介をしているだけという建前ですが、売買を促進する一つの手段として、ジャニーズ関連の出品を集めて、期間中に売買手数料を無料にするキャンペーンを打ち出し、サイトで派手に告知していたのです。

すでに、この時の表示はジャニーズ事務所の抗議を受けて削除されてしまっていますが、サイトの上部、一般的にはサイト名などを掲載するようなスペースに、でかでかと「ジャニーズ」と表示していました。

これが、「実際の商標権者が提供しているような態様」と警察に認識させたのではないかと考えられます。

ジャニーズ事務所としては、本当はチケットの売買そのものをやめさせたかったはずですが、それができず、自社の商標である「ジャニーズ」の呼称を勝手に使った商標法違反を指摘。

フンザ側でもこのときは、「商標に対する認識不足」を認め、表示を削除したという経緯がありました。

実際の商標権者が提供しているような態様とは

ところで、「実際の商標権者が提供しているような態様」とはどのようなものでしょうか。

たとえば、あるお店が、非正規ルートで仕入れた商品を販売する際、販売するだけなら法律違反にはならないものの、人目を引こうと店頭に大きく商標名を掲げたらどうでしょうか。

これは、やり方と、程度の問題でもあります。

手書きのPOPをつけるぐらいならセーフかもしれませんが、仮に、自店の本来の看板の上に、その会社のロゴマークを勝手に拝借してバーンと貼り付けたら、これはもう商標法違反です。

今回の問題もこれと同じではないかと考えられます。

チケットを転売してはならない、というのはチケット発行者側が決めた取引ルールなので、当事者間で契約違反を争うことになったとしても法律違反しているわけではありません。

したがって、取引そのものを止めることはできず、その過程で商品説明のために商標を使っても問題はありません。

しかし、商品の説明を装いながら、実態的には、他人の登録商標を自社のビジネスを促進するための宣伝材料として利用したと捉えられれば、商標法違反に問われる可能性があるということです。

参考:
ジャニーズに抗議受けたチケットキャンプ 確認不足を認めるも「キャンペーン自体は継続の判断」
チケット売買サイト「チケットキャンプ」がサービスを一時停止 商標法違反・不正競争防止法違反の容疑

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2018年05月07日 作成

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