商標権が取り消される3つのケース

商標を無事登録できたら安心、というわけではありません。

いったん登録された商標が取り消されるケースがあるのです。

商標が取り消されるケースとは、以下の3つです。

  1. 無効
  2. 取り消し
  3. 異議申し立て

それぞれについて解説します。

目次

1. 商標登録の無効

特許庁の審査により商標登録を拒絶する理由がないと判断されれば、商標は登録されます。

ただし、特許庁の審査も決して100%ではありません。

中には、商標登録されるための条件をクリアしていない場合があります。

誰かがそうした事実を見つけたら、商標登録をなかったことする無効審判を請求することができます。

無効審判は誰でも請求できます。

このため、商標を登録されると困る人たちが無効審判を請求するケースが多いです。

たとえば、自分が使っている商標と似た商標が登録された、あるいは、業界で普通に使っている一般名称が商標登録されてしまった場合です。

特許庁の審査の段階では、「似ていない」、「一般名称ではない」と判断されたから商標登録できたわけですが、似ている商標や一般名称だと思っていた商標が登録されてしまうと、いままで使っていた商標が使えなくなることになります。

そこで、不利益を被る人たちがいた場合に、特許庁の審査を無効とすることが制度上、定められているわけです。

2. 商標登録の取り消し

いったん登録した商標を取り消すことがきる制度です。

取消が認められるのは、不使用による取消と、不正取得による取消の主に2通りです。

もっとも多いのは、不使用による取消です。

商標登録は、事業などで現に使用している商標でなければ登録できない決まりです。

商標権は知的財産権の一種ですが、知的財産権とはその発明やデザインを使って商売をしていることによって初めて知的財産としての価値が生まれるわけです。

ビジネスで実際に使っていなものは知的財産としての価値がなく、保護対象に当たらないため、使用実態のないものは取り消されることになります。

取消審判請求は誰でもできますので、無効と同様、似たような商権を持っている、あるいは、これから使いたい人が先にある商標の不使用取消を主張して審判を請求するケースが多いです。

訴えられた側は、過去三年間の中で使用実態があったことを証明しなければなりません。

3. 商標登録の異議申し立て

重要な箇所へのアンダーライン
商標登録が完了すると、商標掲載公報に情報が公開されます。

この際、登録された商標に異議がある場合、誰でも商標登録の正当性に異議を唱えることができます。

商標登録の異議申し立てを受けた場合、特許庁ではその言い分が正しいか審理を行い、異議が認められる商標登録の審査がやり直しになります。

無効審判と似ていますが、違う部分もあります。

  1. 商標登録の異議申し立てできるのは商標掲載公報に公開されてから2カ月以内という期限があります。これに対して無効審判は期日の定めはなく、取り消しになった商標登録に対しても無効審判の請求が可能です。
  2. 商標登録の異議申し立ては代理人を立てることができます。つまり、誰が異議申し立てをしたのか、知られずに済みます。これに対して、無効審判は審判を請求する人が名乗り出る必要があります。
  3. 商標登録の異議申し立てが認められて再審査になったとき、その結果に対して再度異議を申し立てることはできません。一度キリです。これに対して無効審判は、審判の結果に不服がある場合はさらに上級裁判所に訴えることができます。
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