商標の権利を守る法律

商標の登録は、商標法に則って行われます。

商標法とはどのような法律なのか、成り立ちと特徴をみてみましょう。

目次

商標制度ができるまで

商標制度を作ったのは、明治から昭和にかけて、首相・蔵相として活躍した高橋是清です。

明治17年には、すでに、是清らによって商標条例が制定されていました。

制定後、数度の改定を経て、昭和35年に現行法が施行されています。

現行法施行後も、時代の変化にともなって逐次改正が行われています。

主なものは次の通りです。

  • 平成3年
    サービスマーク登録制度導入
  • 平成8年
    立体商標制度の導入などを含む大幅改正
  • 平成11年
    マドリッド協定議定書加入のための規定の新設など
  • 平成17年
    地域団体商標制度の導入
  • 平成18年
    小売等役務商標の導入
  • 平成26年
    文字・文章、形、立体形状に加えて、音、ホログラム、動き、色彩、位置など新しいタイプの商標を追加

なお、最初に商標として登録されたのは、膏薬丸薬のパッケージに描かれた指を切った料理人のマークで、京都府の薬売り平井祐喜が登録した商標です。

商標法とその他知財法との違い

商標法は知財を守る法律の一種です。

知財法には、商標のほかに、特許、意匠、実用新案の3つの法律があります。

4つの知財に関する法律の違いは下の表の通りです。

特許 意匠 実用新案 商標
保護対象 物、方法、物を生産する方法の発明 物品の形状・構造に関する考案 物品のデザイン 商品・サービスのマーク・名前
審査 あり なし あり あり
期限 出願から最長20年 出願から最長10年 登録から最長20年 登録から10年更新が可能
費用 約15万円 約2万円 約4万円 約5万円

商標は存続期間の更新ができる

4つの知財関連法は、登録された固有の知的財産にかかわる権利を守るもので、どれも似通っていますが、一つだけ大きな違いがあります。

商標のみ、登録の更新が可能なことです。

他の知財法は、出願、または登録から数えて一定の期限を超えると自動的に権利が消滅します。

商標についても、権利の存続期間は登録から10年の期限つきですが、更新手続きを行えば、さらに10年、存続期間を延長することができます。

延長回数の決まりもないので、更新し続ける限り、半永久的に商標の登録を続けられることになります。

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