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弁理士が教える商標登録のコツ 


商標登録を成功報酬制の弁理士に依頼するのは本当に得か

商標登録を行う際、一般的には商標を含む特許や実用新案など、産業財産にかかわる法律事務を専門に行う弁理士に頼むのが一般的です。

以前は、弁理士が行う各種法律事務の諸費用は、弁理士協会が取り決めて一律で行われ、どこに頼んでも一緒でしたが、現在では一律料金は撤廃され、各弁理士が自由に価格設定していいことになっています。

とはいえ、やることもコストもだいたい一緒なので似通った価格になるのですが、少しだけ違う要素があるのは、成功報酬制を導入しているところとそうでないところです。

成功報酬制は一見するとお得に見えるのですが、果たして本当に得かどうか、いろいろなことを総合的に判断する必要があります。

一般の弁理士報酬と成功報酬制の違い

商標登録の代行を弁理士に依頼する場合は、特許庁に支払う手数料とは別に弁理士に代行料を支払うことになります。

通常は、出願時と登録時の二回に分けて弁理士に料金を支払うのが一般的です。

登録時の登録料は、代行の成功謝金としての意味合いもあるので、登録できなければ費用は発生しません。

したがって、出願人である依頼者の出費は出願時の手数料と弁理士費用のみとなります。

これに対して成功報酬制をとっている弁理士の費用体系は、出願時に必要なのは特許庁への手数料のみで、弁理士費用はゼロ、ないし、極めて少額に抑えています。

その代わり、商標登録できたときに弁理士は成功報酬をまとめて受けるというものです。

成功報酬制ですから、もし商標登録できなかったときは、出願人の出費は特許庁への手数料のみです。

さらに、中には、商標登録できなかったら、特許費用を含めて返却するというところもあります。

この場合、出願人の出費はゼロです。

商標登録は失敗することもあります。

成功しても失敗しても出願時の報酬がかかってしまう一般の料金体系より、登録できたときだけ支払えばいい成功報酬制は得な感じがします。

でも果たして本当にそうでしょうか。

一般の弁理士報酬と成功報酬制の価格比較

実際に、一般の弁理士報酬と成功報酬制の価格比較をしてみましょう。

細かく言うと、電子化手数料など面倒な計算があるのですが、ここでは比較のために細かい話は抜きにしてざっくり計算します。

分かりやすく1商標1区分指定に限定した際の計算にします。

まず、特許庁に支払う手数料です。

出願時12,000円

登録料時28,200円

合計49,200円

次に、一般の弁理士報酬です。

事務所によって異なりますので、ここでは日本弁理士協会が行ったアンケートから、弁理士費用の平均値をあててみます。

出願時の平均額は66,989円です。ここではわかりやすく67,000円としましょう。

登録時の平均値は45,409円です。ここではわかりやすく45,000円としましょう。

これに、特許庁への支払いを足すと以下のようになります。

出願時79,000円

登録時73,200円

合計152,200円

次に、成功報酬制です。

成功報酬制の料金設定は事務所によってかなり違うので、ここでは単純に登録時に一括払いした場合として計算してみます。

先ほどの弁理士アンケートによる出願時と登録時の平均額を単純に足すと112,000円です。

これに、特許庁への支払いを足すと以下のようになります。

出願時12,000円

登録時140,200円

合計152,200円

商標登録できたときの合計費用は同じですが、できなかったときの費用は、一般的な料金体系の場合は79,000円かかるのに対して、成功報酬制は12,000円です。

すると、やはり成功報酬制のほうが得なのでしょうか。

成功報酬制の細かい条件設定に注意

よくよく考えてください。弁理士事務所だって商売です。

商標登録できなければ、出願のために費やした労力、コストが無駄になります。

それをどこかで取り返さないと、事務所の経営ができなくなってしまうのは自明なのです。

したがって、登録できなかったときの費用が本当にゼロなのかをまず確認する必要があります。

成功報酬制を導入している事務所の場合、出願した商標が特許庁の審査に通らなかったらその時点で費用確定する、という単純なものではない場合があります。

通常、特許庁の審査に通らなかった場合、審査に不服を申し立てる意見書を提出し、再審査の手続きを行うなどします。

また、そのほかにも、出願書類に不備があった場合の補正書の提出、あるいは、拒絶査定を受けた場合の再審審判の請求など、出願と登録時だけではなく、いろいろな手続きが発生する場面があります。

それぞれに、特許庁への手数料と弁理士への代行費用が別々にかかります。

一般の出願人はそんなこと知りませんから、出願時と登録時の費用だけを比較します。

すんなり登録できればいいのですが、もし途中で手続きが必要になった場合、いちいち高額な費用がかかる場合があるのです。

たとえば、意見書の場合だと、先ほどの弁理士アンケートによって平均値をとると、48,000円ぐらいですが、この料金を10万円とか15万円といった高額に設定しているケースがあるのです。

そこで、「そんなに費用がかかるなら、登録を断念する」と出願人が申し出ると、これまた高額なキャンセル料を請求されることがあります。

一般の費用体系を採用している弁理士は、こうした費用を事前に明示ししているか、もしくは総費用の中に組み込んでいて、出願と登録料以外の手続きは無料でやっているところもあるほどです。

成功報酬制を採用している事務所の中にも、良心的にやっているところもあると思いますが、中には依頼人の無知につけこんで本当の費用をブラックボックス化しているケースもあるということです。

みなさんの大切な商標を扱うのです。

パッと見た目の費用の安さに惹かれるのではなく、事前に相談をきちんと受けて、本当に信頼できる事務所かどうかを見極めてから依頼することをぜひお勧めします。

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2016年12月23日 作成
2017年11月13日 更新

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