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弁理士が教える商標登録のコツ 


特許庁が商標侵害の最低賠償額を設定へ

登録した商標を勝手に第三者が使って営業した場合、権利侵害を訴え、使用の差し止めを勧告できるだけではなく、被った損害を賠償請求できます。

しかし実際には、使用の差し止めはできても賠償請求のハードルが高かったのが実際のところです。

ところが、特許庁が2016年2月、最低賠償額を設ける方針を固めたようです。

これにより、損害賠償請求がやりやすくなる可能性があります。

損害額の立証責任が被害者側にある

登録した商標を他人が勝手に使用した場合、使用を差し止めることは比較的に容易だと言われていました。

商標法違反は親告罪ではないので、違反していることが事実なら、刑事罰を科すことができるからです。

商標法を違反しているケースは、分かっていて他人の商標を黙って使っているか、もしくは、悪意はなく単に商標登録されていることを知らなかったかのいずれかです。

分かってやっている場合は、商標法違反であることを警告すれば、「ばれた」とばかりにすぐにひっこめるので造作もありません。

知らずに使っている場合も、商標法違反であることを説明すれば、相手に悪意はないので、納得して使用をやめるか、あるいは、ライセンス料を払って使用を継続するといった交渉ができます。

これに対して、損害賠償請求はハードルが高いと言われていました。

なぜなら、商標を勝手に使われたことによって、どれほどの損害を被ったのか、被害者側が立証しなければならなかったからです。

損害額を算定するのは難しかった

商標法違反による損害賠償とは、商標を勝手に使われたことによって被った被害を賠償してもらうことです。

では、商標を勝手に使われたことによって、どのような被害が発生するでしょうか。

一つは逸失利益です。

消費者は商標を見て購入を選択していますので、他者が勝手に名乗った商標をそれと知らずに本物と誤認して購入した場合、その売上は本来の商標権者に入るはずのものだったと認定できます。

つまり、勝手に商標を使われたことで、本来は自社の利益になるはずだった売上の機会を奪われ、逸失利益が発生している考えられるわけです。

したがって、基本的には、相手が勝手に商標を使って得た利益相当額を損害額として請求してもよいのですが、仮に、違反者の営業努力によって売れた部分もあると相手が主張して戦う姿勢を見せた場合、面倒なことになります。

損害賠償にはもう一つ考え方があります。

それはイメージダウンです。

勝手に商標を使った上、本物とは相いれない粗悪な商品を出したり、サービスが悪いなど、本家のイメージを悪化させ、結果的に商標権者の売上が落ちた場合などは、損害として賠償請求できます。

理屈はそうでも、どこまでが商標違反による損害なのか、特定するのは簡単な作業ではありません。

このように、損害額を算定するのは意外に難しく、賠償請求を断念するケースもありました。

損害賠償が簡単にできれば商標違反も減る

そうした中、特許庁では2016年2月、実際の損害額を算定できなくても、商標の取得にかかった費用を最低賠償額として賠償請求できるようにする制度を設ける方針を決め、有識者会議に示したのです。

順調にいけば2016年内の国会の中で、新制度を盛り込んだ商標法改正案について審議される見通しです。

もし法案が通れば、損害賠償請求のハードルが一気に下がります。

損害賠償額が商標の取得費用を最低額とした場合、額としては決して大きなものではありません。

しかし、賠償請求できるのとできないのでは雲泥の差です。

仮に、商標法違反を分かっていて使っている悪質な事業者の場合、商標権の侵害がばれて警告されたらやめればいいと軽く考えているケースが少なくありません。

実際に警告を受けても「知りませんでした」といってさっさと逃げてしまえばさしたるペナルティはないというのが正直なところです。

でも、損害賠償できるとなったらそうはいきません。

裁判の場に出て証言しないといけないわけです。

違反が確かならば、あとは賠償額の認定だけ。

商標の取得費用を最低賠償額とする法律で決まっていれば認定は簡単です。

つまり、訴えることができれば、ほぼ100%、勝訴できるというわけです。

裁判で負けることがわかっているわけですから、これがブレーキになり、商標違反する者も減るだろうという期待が持てることになります。

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2016年12月23日 作成
2017年11月13日 更新

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