「ジョン・レモン」の名称使用は商標侵害とオノ・ヨーコ氏

ヨーロッパ全域で販売されている清涼飲料水「ジョン・レモン」について、芸術家のオノ・ヨーコさんが、夫で世界的アーティストの故ジョン・レノンさんの商標権を侵害しているとして抗議していることがわかりました。

ジョン・レモン(John Lemmon)と、ジョン・レノン(John Lennon)、確かにMとNの違いだけでよく似ています。

とはいえ、英語圏では極めて一般的な名前であるジョンと、商品にも使われるレモンを合わせただけといえばそうかもしれません。この結末はどうなるでしょうか。

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ジョン・レノンさんの名声を利用か?

問題の清涼飲料水は、ポーランドの飲料メーカーが製造し、イギリスを含むヨーロッパ全域で販売されています。

レモネードテイストの飲料で、メーカーは少なくとも2014年にはこの商標を使用していたようです。

これにかみついたのがオノ・ヨーコさん。

元ビートルズメンバーで夫のジョン・レノンさんの名前をもじっていると疑うのは当然といえば当然です。

代理人の弁護士によると、飲料メーカー側がジョン・レノンの商標を侵害した場合、1日当たり5000ユーロ、1本販売ごとに500ユーロの支払いを請求する可能性を警告しました。

著名人の名前を利用したら商標権侵害に当たるが

オノ・ヨーコさんは日本や欧州などで「ジョン・レノン」を商標として登録していますので、商標侵害が問えることになります。

これが仮に、日本国内なら、ジョン・レノンさんほどの世界的な著名人であれば、たとえ商標登録していなくても商標法違反や不正競争防止法違反に問えますし、場合によっては刑事罰が課されることもあります。

知的財産権に関する法体系は世界的に共通している部分が多いので、おそらく、ヨーロッパでも同様の法的手続きが可能でしょう。

とはいえ、そうすんなりいくかどうかはわかりません。

英語圏では、「ジョン」という名前は極めて一般的です。これに、商品にも使われている「レモン」を合わせただけ、といえばそうです。

実は、その名もずばり「ジョン・レモン」さんという人物も実在していました。イギリス出身の哲学者で、すでに故人ですが世界的に知られる著書も出版しています。

さらに、メーカー側も、ジョン・レノンの名声を利用する意図はないという見解を発表しています。

さて、この結末はどうなったでしょう。

商標の使用をやめることで合意

メーカー側では、ジョン・レノンさんの名前をもじったことを否定しておきながら、実は、あっさり商標の使用をやめることに同意したそうです。

現在の在庫がなくなる10月で「ジョン・レモン」の販売を中止し、かわりに「オン・レモン」の商標で新たに販売することになりました。

メーカー側は否定しましたが、ジョン・レノンさんの名声を利用していたことは、どうやら言い逃れできそうもなさそうです。

オノ・ヨーコさんの代理弁護士から、ジョン・レモン・アイルランドが作成した商品の広告に、ジョン・レノンさんのトレードマークである丸眼鏡を模したイラストが描かれ、イラストの横には、ジョンさんの代表曲と同じ「Let It Be」の文字がふられていることを突き付けられ、膝を屈した模様です。

参考:
「ジョン・レモン」の飲料名は商標権侵害、オノ・ヨーコさんが抗議
BARKS “ジョン・レモン”、改名

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