「童貞を殺す」奇妙な商標出願の主とその意外な目的

「童貞を殺す」――

何ともエキセントリックな商標が出願されたものです。

いったい出願者は誰で、何の目的があるのでしょうか。

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ファッション関連の商標

その奇妙は商標が出願されたのは3月24日。

出願人は株式会社dazzyという会社。

指定区分は第25類の被服(「和服」を除く)、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類です。

どうやらファッションに関連する商標であることはわかります。

それにしても「童貞を殺す」とはおだやかではありません。

いったいどんな商品の商標に使おうというのでしょうか、その目的は何でしょうか。

ファッション関連の商標

まず、出願者であるDazzyという会社を検索してみました。

ECサイトを中心にドレスやカラーコンタクト、下着などの商品を供給しているファッションメーカーのようです。

公式サイトには、俳優の綾野剛さんが主演した話題の映画「新宿スワン」の衣装提供を担当したことが紹介されています。

新宿スワンと言えば、歓楽街で働く水商売の女性を斡旋する凄腕スカウトマンの活躍を描いた物語です。

ここらへんからどうやら読めてきました。

さらに、Dazzyが実際にデザインを手がけたドレスなどの商品を検索してみたところ、なるほど納得です。

どれもこれも肌の露出が極端に多く、かつボディラインを強調するなまめかしいデザインの服ばかり。

これは確かに、女性経験の浅い初心な少年にはあまりに刺激が強い。

夜の街の女性が好んで着る、男性を悩殺するような衣裳というわけです。

ファッション関連の商標

これらの商品の商標には、「童貞を殺す」、「童貞キラー」といったキャッチコピーが使われていました。

実は、従来はキャッチコピーや、キャッチフレーズは、商標登録が認められにくい分野の商標でした。

この「童貞を殺す」というフレーズもそうですが、キャッチコピーというのは記述的な商標になりがちだからです。

記述的な商標というのは、人々の会話や一般的な商品の説明文などの中で、普通に使用されるような言い回しのことを言います。

固有名詞と異なり、人の会話の中に自然に使われそうなフレーズを商標として登録し、独占使用を認めるべきではないという考え方が背景にあったからです。

しかし近年になって規制が緩和され、商品やサービスを識別する固有の標章と認められるような創造的なコピーやフレーズなら、商標登録が認められるようになっています。

さて、「童貞を殺す」が商標として認められるかどうか、判明するのは少なくとも数カ月後になります。

参考:
dazzy

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