キャンギャルの偽衣装を販売した女を商標法違反で逮捕

埼玉県警生活安全課と大宮署は、2016年5月19日、イベントなどで使用された衣装と偽り、衣装を販売したとして、東京都在住の無職の女を逮捕しました。
罪状は商標法違反です。
商標法は主に経済にかかわる法律ですが、実は刑事罰が科されることもあるのです。
インターネットオークションで偽物を販売した商標法違反
商標法の違反事件というと、他者が販売している商品の商品名やロゴなどを模倣する権利侵害事件が思い起こされます。
商標権者が相手の会社などに商標の使用の差し止めと損害賠償などを求める訴えを起こすことで初めて事案が成立する親告罪の側面もありながら、刑事事件にもなりえるのです。
まずは事件の経緯から。
逮捕された女は携帯電話会社のイベントなどで使用される衣装を自分で偽造し、ネットオークションを通じて販売していました。
1着6000円程度で中国から仕入れた無地の衣装に、ネット上から勝手に取り込んだロゴをシールに加工して貼り付け「ソフトバンクがキャンペーンで使った衣装」と偽っていたのです。
ソフトバンク側が気づいたわけではなく、警察が別の事件で容疑者宅を家宅捜索しているときに衣装を見つけ、その場で現行犯逮捕しました。
似たような事件がつい最近もありました。
5月11日には滋賀で、高級ブランド品の偽物を売ったとして、商標法違反の疑いで、兵庫県の保育士が逮捕されています。
偽のロゴがついたバッグをインターネットのオークションサイトを通じて滋賀県の女性に、約3万3000円で販売したことが、商標権の侵害に当たるとされました。
懲役刑と罰金までつく商標法違反
商標権の侵害行為に対してとられる方法は2つ。
一つは、裁判所を通じた民事手続によって、侵害行為の中止、損害賠償の請求、不当利得の返還を請求すること。
もう一つは、刑事事件として立件し、刑事罰を適用することです。
商標法では、商標権を侵害した者に、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金に処すと定めています。
さらに、相手が法人の場合、実行行為者の処罰に加えて、業務主体である法人にも罰金刑が科されることになります。
違反者は、商標の使用をやめるはもちろん、損害賠償や利益の返還に加えて、懲役刑と罰金刑まで課されることがあるわけです。
他人の商標を勝手に使うということは、それだけ罪の重いことなのだと言えるでしょう。
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2016年07月18日 作成
2017年08月18日 更新
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