ネーミングをめぐる物語「ヤンマー」

ヤンマーと聞いて、何を連想するでしょうか。
エンジンや農業機械、天気予報のCMも有名です。

今回は、100年以上の歴史を持つヤンマーの商標登録にまつわるお話です。

目次

大正時代には珍しかったカタカナ商標

ヤンマーが誕生したのは、1912年。
創業者山岡孫吉が山岡発動機工作所を大阪に設立したのが始まりです。

創業当初は、ガス発動機の修理・販売業としてスタートを切りました。

1921年に新社名ヤンマーを商標登録したころから製造にも乗り出し、独自の石油発動機や石油発動機を動力とする農業用機械などを次々に開発。

大正時代にはもう海外進出にも着手しています。

世界に先駆けて小型ディーゼルエンジンの実用化を成功させるなど、常に先駆的な事業を展開。

現在では農業機械だけでなく各種エンジン、建設機械、船舶など様々なフィールドで世界中に知られるところとなりました。

創業間もなく商標登録されたヤンマーという社名。

大正時代、カタカナ表記の商標は大変に珍しいものでした。

そこにはどんな意味が込められていたのでしょうか。

名前の由来はトンボから

現在の社名でもあるヤンマーが商標登録されたのは1921年。

当初、創業者の山岡孫吉は、日本人にとって豊作の象徴でもあるトンボを商標として登録しようとしました。

しかし、いざ商標を登録しようとすると、すでに他メーカーが商標登録を済ませていることを知りました。

トンボに強い思いがあったのでしょう、山岡は商標権の買い取りを検討していたそうです。

そんなとき、ある営業社員が「同じトンボでもトンボの王様であるヤンマにすればいい」と提案しました。

孫吉はこの意見を採用し、トンボのヤンマと山岡のヤマを結びつけ、最終的には語呂を考えてヤンマーに決定し、商標登録に至ったのです。

大正時代にしてはずいぶんハイカラなカタカナ表記の商標と思ったら、実は、農耕民族ならではの日本らしい意味が含まれていたようです。

参考:YAMMAR

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