ネーミングをめぐる物語「じゃがりこ」

ロングセラーお菓子じゃがりこは、ジャガイモを主原料としたスナック菓子で、1995年(平成7年)からカルビーが製造・販売しています。

ジャガイモを蒸かし細い棒状に成型して油で揚げ、カップ容器に入れられているこのお菓子は今でも高い人気を誇っています。

年商250億円を超えるカルビーの看板商品であり(2011年10月現在)、現在まで味違いなどさまざまなバージョンが作られています。

ところで、じゃがりこという商標が決まるには、ちょっと変わった経緯がありました。

どのような変わった経緯でしょうか。

目次

開発担当者の友人の名前から命名

じゃがりこは女子高校生がカバンに入れて持って歩けるようなお菓子をつくろうというコンセプトで企画された商品です。

当時のお菓子といえば大抵は袋入りです。袋入りの菓子はかさばるのでカバンに入れにくく、無理に押し込むと中のお菓子が破損してしまいます。

そこで、箱やカップ入りのお菓子が考案されたのです。

商品名の候補にはカリットポテト、ポテッキー、スリムポテトなどが上がりました。

が、なかなか絞り切れません。

従来のコンセプトにはない新しい商品です。新しい商品にふさわしい斬新な商標を求めていたのです。

悩んでいた開発担当者の目にある光景が浮かんできました。

試作品を友人に試してもらったとき、おいしそうに食べていた光景です。

その瞬間、開発担当者の脳裏に、じゃがりこの商標がひらめいたのです。

友人の名前は「りかこ」さんと言います。これに、製品の原料であるじゃがいもを足して、じゃがいも+りかこ→じゃがりかこ→じゃがりこになったということです。

キリンのキャラクターには名前がついている

じゃがりこの容器にはキリンのキャラクターが描かれています。

食べだしたらきり(キリン)がない」というイメージを持つお菓子というコンセプトに、キリンのキャラクターが使われているそうです。

同社のもう一つの看板であるかっぱえびせんが「やめられない、とまらない」というキャッチフレーズで有名になったことにあやかり、長く愛されるお菓子になってほしいという願いが込められているとのこと。

シリーズのじゃがりこにそれぞれ独自のキリンキャラクターが決まっていて、ちゃんと名前もついているのをご存知でしょうか。

ちなみに、キャラクター名は次の通りです。

  • サラダ味 …… じゃがお
  • チーズ味 …… りかこ
  • じゃがバター味 …… じゃが作
  • みにかっぷサラダ味 …… ミツル
  • みにかっぷチーズ味 …… ニコ

デザインバーコードが使われている

じゃがりこは、デザインバーコードが使われていることでも知られます。

デザインバーコードとは、通常の無味乾燥なバーコードにデザイン性ももたせたもの。

ご存知の通り、バーコードは小売店や流通段階で商品を識別するためのいたって事務的なもの。

デザインを加えていいということが知られるようになったのは最近のことで、じゃがりこについても、発売10周年を記念して、2005年から使用されるようになったものです。

現在では種類も増えて、各バージョンの味にちなんだユニークなイラストが入ったバーコードが作られています。

単調なバーコードの模様にも遊び心を取り入れる姿勢が、じゃがりこのような幅広い世代に受け入れられるお菓子を作るもとになっているのかもしれません。

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