ロゴをめぐる物語「ららぽーと」

ららぽーとは1981年から三井不動産グループが開発している大型商業施設です。

いまから30年以上前に千葉からスタートして現在では関東湾岸地域、中部地方から関西まで全国11施設を運営しています。

我が国を代表する商業施設ブランドに成長したららぽーとのロゴマークに原点の記憶が刻まれていることはあまり知られていません。

目次

シンプルに見えるロゴ商標の由来は原点にある

ららぽーとのロゴ商標は、三井ショッピングパークに続いて、縦長の2本の線と2つの丸からできたシンボリックな図形とアルファベットでLalaportの文字の組み合わせ、そして各施設名が入る構造です。

基本の造形となるのは、2本の線と2つの丸です。

商業施設のロゴ商標は店名を飾り文字にしたものやシンボルマークを図案化したものが多いものですが、ららぽーとのロゴ商標は非常にシンボリックでやや淡白な印象さえ受けます。

しかし、このロゴ商標にはなかなか深い意味が込められているのです。

日本有数の商業施設の原点を振り返ってみることで、ロゴ商標にどんな意味が込められているのか見てみましょう。

ハワイの商業施設を参考に開発

ららぽーとが誕生したのは1981年です。

千葉県船橋市に船橋ショッピングセンターららぽーと、現在のららぽーとTOKYO-BAYを開業したのがその始まりです。

もともとこの地には「船橋ヘルスセンター」という娯楽施設が建っていました。

開業当初こそいまのテーマパーク並の人気を誇った施設でしたが1970年代になると経営不振に陥り閉鎖を余儀なくされます。

5万坪という広大な跡地の利用方法を検討する中で、日本にはまだ少なかった巨大商業施設の建設案が浮上したのです。

日本には前例が少ないので、ハワイの有名な商業施設アラモアナショッピングセンターを参考に開発したのがららぽーとの一号店となりました。

いまでもららぽーとTOKYO-BAYの施設内にはヤシの並木が植わっているなどどことなく南国風のテイストが感じられるのはこのためです。

ちなみに、ららぽーとの語源は門の意味をもつ「PORT(ポート)」に楽しげな様子を表現した「LALA」をあわせたものです。

楽しい体験への入口という思いが込められています。

船橋ショッピングセンターららぽーとは増床を繰り返して巨大化するとともに、2000年代に入ると甲子園(兵庫)を皮切りに、豊洲(東京)、柏の葉(千葉)、横浜(神奈川)などに進出していったのです。

ロゴに込められているのは2つの原点

さて、ロゴの由来です。

一見するとシンプルに見えるロゴ商標ですが、そこにはいろいろな思いが込められています。

とりわけ、重要な意味を持つのは2つの原点です。

一つ目の原点は、家族です。

施設ができた1980年代、普段の買い物をする場所は簡素な施設が多く、かといってデパートは敷居が高いような時代でした。

元にあった建物が娯楽施設だった流れもあり、買い物をするだけではなく家族が気軽に遊びにきて一日楽しめるような施設を目指したのが一つ目の原点です。

ロゴ商標では、2本の線と2つの丸で、父親、母親と子供2人という家族を象徴しています。

加えて、2組のラインと丸が少しずれているのは、楽しくこころが弾むような気持ちや心地よいリズム感を表現しています。

もう一つの原点は、ベリエリアです。

一号店となった船橋を始め、豊洲、横浜と、同社の施設は海に面している立地が多いのが特徴です。

ららぽーとという名称の語源ともなったPORTには門の他にもう一つ港という意味もあります。

原点ともなったベリエリアのイメージを、ロゴ商標では基本色となる2色のマリンブルーで表していたのです。

参考:
LALAport
ららぽーと価値創造30年のあゆみ

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