ロゴをめぐる物語「富士通」

「FMV」などのパソコンシリーズでおなじみの富士通株式会社。

日本をはじめとして世界100カ国以上にまたがるグローバルな情報通信テクノロジー企業です。

最近では「Fujitsu」のローマ字表記の商標の方がなじみ深いかもしれません。

今回は、そんな「Fujitsu」の社名とシンボルマークの商標登録の変遷についてご紹介いたします。

目次

富士通(Fujitsu)という社名が商標登録されるまで

富士通のはじまりは、1923年に古河電機工業株式会社と、ドイツのシーメンス社が設立した富士電機製造株式会社です。

シーメンス社は1887年より日本に進出しており、富士電機の設立は初の日独提携事業でした。

古河(フルカワ)」と「シーメンス(ドイツ語でジーメンス)」の頭文字を1つずつ取り、「フジ」、漢字は富士山をイメージして当てたのがその由来です。

1935年にはその電話通信部門が富士通信製造株式会社として独立しました。

その後、「富士通信製造」略して「富士通」の名前は1961年より略称社名として用いられてきたのですが、商標登録はされていませんでした。

しかし、1962年には、英語表記が先に「FUJITSU LIMITED」として商標登録。その5年後の1967年に、現在の「富士通株式会社」という名前が正式に商標登録されるに至りました。

ちなみに、元の会社の富士電機製造株式会社は、1982年に商号変更し、現在はエネルギー・産業・インフラ分野で有名な「富士電機株式会社」となっています。

「Fujitsu」シンボルマークの商標登録の変遷

富士通は現在のシンボルマークになるまで、3回の商標登録・変更がされており、現在のマークは4番目の商標です。

その変遷を見ていきましょう。

1935年~1961年

親会社の富士電機製造株式会社の商標をそのまま使用していました。

それは、富士電機 の「F」とジーメンスの「S]を合わせたもので、「FS(エフエス)マーク」と呼ばれていました。

1962年~1971年

「富士通」の名称を用いた初のシンボルマークが商標登録されました。

このころから本格的にコンピューターの製造がはじまりました。

社内機構を「通信工業部」「電子工業部」という二部制にしたことから、社名の「富士通」の上下にそれぞれ「通信と電子の」「Communications and Electronics」という文字が掲げられている商標です。

1972年~1988年

白色をバックに赤文字で社名「富士通」の文字の上下に青いラインが入ったデザインの商標です。

青は「平和」赤は「情熱」白は「純潔」を現しています。

1989年~

現在のシンボルマーク。国際化に合わせて英語表記での商標が登録されました。

コーポレートカラーである赤(Fujitsuレッド)で描かれたシンボルマーク「Fujitsu」の中央に位置するjとiの点(英語でtittleもしくはsuperscript dotといいます)は、「地球」と「太陽」をシンボライズし、「無限大」を意味するインフィニティマークに置き換えられており、このインフィニティマークは「宇宙への広がり」「無限の可能性」を表現しています。

さらに、2010年には、創立75周年に向けて、新たなブランドプロミス「shaping tomorrow with you」が商標登録されました。

Fujitsuレッドを基調として、「対話」を象徴する吹き出しのようなデザインを、富士通のシンボルマークであるロゴの「F」とつなげることで富士通らしさを表現したそうです。

このグラフィックデザインは2013年に世界的に最も権威のあるデザイン賞の1つであるiFデザイン賞を受賞しています。

参考:
【富士通】
シンボルマークの変遷
ブランドプロミス「shaping tomorrow with you」の新デザインについて
富士通ブランドについて
「企業の歴史と産業遺産⑧-富士電機システムズ」
【シーメンス】
日本での歴史と沿革 - 日本では120年以上もの歴史があります

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