いまさら聞けない新しいタイプの商標の基礎から登録までサクッと学べる動画

特許庁が運用するインターネット番組、「商標チャンネル」から、第2回放送、『商標 最前線!』~新しいタイプの商標とは~新しいタイプの商標の概要編」を紹介します。

この動画は、キャスター木村久美さん、解説峰剛一氏のコンビで、商標に関する情報を伝える番組です。

今回の放送では、平成27年(2015年)4月から導入された「新しいタイプの商標」について解説しています。

目次

2015年から導入された新しいタイプの商標とは

2.『商標 最前線!』~新しいタイプの商標とは~新しいタイプの商標の概要編

この動画の前半では、2015年から導入された新しいタイプの商標の基礎的な知識について解説しています。

主な内容は次の通り。

新しいタイプの商標が導入された背景

  • 科学技術やコミュニケーション手段の発達を背景にブランディングの手法が多様化し、テレビやインターネットなどを通じて、音声、画像、映像、その他の方法でプロモーションが行われるようになった。しかし、従来の商標では文字や図形、立体形状などが対象で、動く図形や色彩などは保護されなかった。
  • 海外に目を向けると、多くの国で音や色彩を商標として保護しており、これら新しいタイプの商標を保護するのが世界的な流れである。
  • そこで日本でも、2015年4月から新しいタイプの商標が導入された。*この動画は導入前に制作したものなので、「導入予定」となっているがすでに導入されている。

新しいタイプの商標とは

  • 動き、色彩、位置、ホログラム、音の5タイプ。

新しいタイプの商標の活用例

  • CMなどで使っているサウンドロゴを海外で商標登録している久光製薬の例。
  • 「ブランド価値の象徴が商標」だというのが久光製薬の考え。商標にはコミュニケーションツールの役割があり、コミュニケーションは技術の進歩や時代によって多様化している。音や動きなども商標として保護することが重要だと考えている。
  • グローバルな事業展開を行う久光製薬では、言語が異なる地域でも通じるように、世界共通の商標としてサウンドロゴを使っており、世界のあらゆる地域で商標登録して保護することを重要と考えている。
  • 音商標は宣伝広告で使用する。そのためには莫大な費用がかかる。継続して使用するためには権利化して保護することが重要だから。
  • さらに、マネされないために商標登録するというだけではなく、実施権が大事。商標権を得ることで企業はどの国、地域でも安心して事業展開できる。
  • このように、新しいタイプの商標を積極的に活用していくことが企業にとっても重要なテーマとなる。

新しいタイプの商標の登録について

  • 後半からは、特許庁の佐藤丈晴氏を招いてさらに新しいタイプの商標についての詳しい解説が続きます。

新しいタイプの商標として登録できるもの

  • 動き商標:動く図形や文字などを商標として登録できる。映像表現でよく使用される、時間の経過にともなって文字や図形が変化するものが保護の対象。
  • ホログラム商標:図形等が見る角度によって変化して見えるものなどを商標として登録できる。
  • 色彩のみからなる商標:従来から文字や図形に色彩がついたものは商標として登録できた。今回、新たに、形が定まっていない色彩のみからなる商標も商標登録できるようになった。たとえば、商品の包装紙、広告看板に使用される色彩が保護の対象。単色だけでなく色彩の組み合わせも商標として認められるのが特徴。
  • 音商標:CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音。Windowsの起動音もアメリカなどで商標登録されている。
  • 位置商標:図形などが商品の特定の位置に付されているもの。簡単な図形であっても常に商品の同じ場所に付されていることで消費者が特定の企業の商品であると認識するようなものが保護の対象。

新しいタイプの商標の出願の際に気を付けること。

  • 出願書類には従来の項目に加えて、新たに、「商標のタイプ」を記載し、さらに、新しいタイプの商標を説明するための「商標の詳細な説明」を記載するよう義務付けられた。
  • 音商標については、商標の詳細な説明は不要だが、音階やメロディを楽譜または文章で記載の上、音源データも添付する必要がある。

なお、新しいタイプの商標を登録するために必要な手数料は従来の商標と同じ料金で登録できる。

新しいタイプの商標の導入によって考えられる効果

  • 新しいタイプの商標においても、従来の商標と同様、侵害行為に対する差し止めや損害賠償が請求できる。
  • マドリッド協定議定書の仕組みを利用し、複数国への一括出願が可能になり、海外への商標登録が容易になる。

この動画は2014年12月作成されたものです。
現在は変わっている内容もあるため、実際に商標登録出願などをする際は、特許庁ホームページなどで最新情報を確認しましょう。

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